ウサギの水に対する誤解
ウサギの水というと、昔から水は必要ないという人もいますし、学校で飼育していた時にも、本当に水は与えてませんでいた。
確か飼育小屋にわざわざ「水はあげてはいけません」と掲示されていたように記憶しています。
ところがペットとしてウサギを飼育する場合には、必ず水を与えるように飼育書などには書かれているのが普通です。
これは、ウサギの消化の仕組みから考えるとわかりやすいかも知れません。
実際は水が必要
よく人間でいう甘いもの好きの人のことを別腹があるといいますが、ウサギも別腹があるようです。
というのも、飲み水として吸収される水分とエサに含まれる水分では、ウサギにとって全く異なる意味を持っていることです。
ウサギは他の動物と同様水は欠かせません。
標準サイズのウサギであれば、1日300ミリリットル以上を飲むのは一般的で、同じ体重の犬などより数倍水を飲むといわれます。
専門書にもウサギは体重1kgあたり50~150ミリリットルの水を必要としていると書かれています。
飲み水を十分に与えて悪いことはありません。
逆に水を切らして脱水症状になったりエサを食べなくなったり、その他腎臓、膀胱関連の尿石を発症するといったトラブルの方が多いのも事実です。
ウサギの水の問題点
ウサギの水で、問題となるのは、エサに含まれる水分の方です。
ウサギはエサを盲腸で消化します。
この時直接消化するのではなく、バクテリアによってエサを分解し、バクテリアが生成するタンパク質やその他の栄養素を吸収して生きています。
バクテリアの生活環境はとてもデリケートで、水分やエサの種類など、微妙な変化でも環境バランスが維持できなくなります。
普段食べなれていない果物や根菜、水分の多い野菜や、水滴のついたエサなどは、こういった消化系のバランスを乱しやすく、下痢になったりします。
ウサギの下痢はすぐに体調不良につながり、他の二次感染や疾病を併発して致命的である場合も多いのです。
お腹をこわして下痢になった場合でも、水分は補給する必要があります。
下痢によって失われる水分は、飲み水によって補わなくては回復しません。
水分が減少してくると、体の毒素を体外に排出できなくなります。
脱水症状でウサギの生理状態が危険になります。
こういった場面でも、ウサギの健康の基本は、水であるといえます。
最近では家庭でウサギを飼育する場合にウサギの栄養バランスを考慮したペレットや乾草を与えることが一般的ですが、乾草飼料は水分が少ないので、飲み水が必要です。
食事の時に水がないと、うまく消化できないのです。
こういった点を考慮して、ウサギのエサや水換えは1日2回がおすすめです。
一度に1日分与えるのではなく、消化プロセスも考えて2回に分けて与える方が失敗がないでしょう。
ちなみに、ウサギは野生生物と違って、体に悪いものでも、甘いものとか水分の多い野菜や果物を与えると、とにかく食べてしまうという性質があります。
かわいいから、よく食べるからといって好きなだけ食べさせるのはよくありません。
好きなだけ与えてよいのは水だけと留意しておきましょう。
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