チンチラの健康と水
チンチラの飼育で基本とされる水に関する悩みの中で、代表的なものはチンチラの飲水の量に関する疑問でしょう。
水を飲みすぎるようだ、あるいは水を全く飲まないといった心配が多いようです。
水を飲まない場合
チンチラが水を飲まないというひとつの事例では、ショップから迎えた時点の対応に問題があったようです。
まず飼い主がキャリアーから新しいケージに移そうとしたのですが、なかなかキャリアーを出ようとしないチンチラの場合です。
チンチラは個体にもよりますが、輸送はかなりのストレスとなります。
またしっかり生活リズムをもっているので、はじめてのケージを警戒している場合もあります。
飼い主もその事を知っていたので、そのままチンチラが自分でケージに移れるように入り口を開けて待ってみましたが、ずっとキャリアーの隅でうずくまってしまい一向に出てくる気配がありません。
そこで飼い主はキャリアーを傾けて無理にケージに追い込もうとしました。
チンチラはますます頑固にキャリアーの奥で固まっているので、とうとう抱きかかえて移したそうです。
すると今度は飼い主が近づいただけで、ケージの隅に隠れるようになってしまい、餌も飲水も飼い主がいると摂らなくなってしまったとの事。
特に水は全く飲まないようで心配だという事例です。
この場合、チンチラが新しい環境になれるまで、刺激しないようにそっとしておいたところ、しばらくして怯えもおさまり、水も餌も食べるようになったとの事で、飼い主もほっとしたそうです。
いろいろと気を使って手を加えるだけが管理では無いという良い例ではないでしょうか。
水を飲みすぎる場合
水を飲まないチンチラの例では、輸送と新しい環境(飼い主の対応も含む)によるストレスが原因でしたが、チンチラによってはストレスで水ばかり飲むといった例もあるようです。
その例では新しくベビーを迎えたところ、大人の半分にも満たない体なのに最初から100cc以上も飲んでいるので心配したそうです。
普通チンチラのベビーは水分過多になると下痢になりやすく、飼い主も危険性を知っていたので糞も注意してチェックしていたそうです。
しかし軽い軟便ではあるものの下痢は見られなかったそうです。
そこで購入したショップに連絡してそれまでに与えていた餌の種類や量を再度確認してみたそうです。
塩分の多い餌では喉がかわいて飲量が増えると考えたからです。
ところが餌には問題もなく、普通に食欲もあるので不思議に思ったそうです。
理由がわからず心配なので、チンチラの専門家に診察してもらったところ、全く健康そのもので問題無いが、足の裏が少し赤いのが気になるとい言われたそうです。
そこで床材を別のものに変えてみたところ、飲水の量が普通に減ってきたそうです。
つまり床材がストレスとなって飲水量が増えていたと言うことのようです。
熱心な飼い主でも、このようなチンチラの繊細さは、気づきにくいですね。
なかなか微妙なストレスであっても、当のチンチラには痛くて苦しかった訳で、健康的に大きな影響が出かねないという典型的な例といえるでしょう。