ハムスターの水やりのポイント
水環境
ハムスターも他のペットと同様に飲水の準備の必要があります。
ここでは、ハムスター特有の飲み水及び水環境の考え方についてご説明したいと思います。
ハムスターは本来、湿気の少ない乾燥地帯(砂漠近隣)や、平原に生息している小動物です。
そのため、飼育環境下でも湿気を嫌う性質をもっています。
飲水は少量であっても、新鮮なものを毎日取り替える必要がありますが、水がこぼれたり、体に付着してしまうと、体温調節がうまくできなくなってしまいます。
しかも体周辺の湿度が高くなりますと、毛玉ができやすくなり、毛が絡んでその部分が抜けてしまう「禿げ」の原因にもなりやすいのです。
湿度が高くなりますと毛に余分なストレスをあたえるため、皮膚疾患の原因にもなります。
適した給水方法は
給水の際には、こういった問題も考慮にいれて、水による濡れの心配が少ない給水ボトルを準備するのが良いでしょう。
従来は小さな床置きタイプの水入れも用意されていましたが、ハムスターは夜間に活発に活動する動物のため、元気が余って水入れに体を漬けてしまう個体もいるようです。
このため、ドライな環境を整え、必要な分だけ新鮮な水が与えられるボトル式の給水ボトルがおすすめです。
給水ボトルに入れる水は、きれいなものであれば、水道水でも大丈夫です。
給水ボトルは基本的にケージの側面に固定しますので、しっかり壁に固定できるような設置をします。
ケージごと移動する場合には、不安定になりやすい部分のため、給水ボトルは取り外しておきましょう。
簡単に取り外し、取り付けが可能で、しっかりと固定できる様々な固定具も販売されていますので、状況にあわせて利用してみてください。
セッティングのポイント
給水ボトルをケージに固定する場合には、ハムスターのいちばん飲みやすい位置に飲み口がくるように設定してあげるのが大切です。
飲み口の形状は細い管(金属またはプラスチック製)ですが、ハムスターの口の大きさに合わせてサイズを調整します。
大きずぎると飲みにくいばかりでなく、余分な水が飛び出してハムスターが濡れやすくなるので注意しましょう。
飲み口の位置は、ハムスターが立ち上がってちょうど首を水平にしたあたりの高さにセットすると良いようです。
ハムスターは繁殖時を除き多頭飼育は行わないのが普通ですが、複数のハムスターを同じケージで飼育する場合には、各個体がちゃんと水が飲めているか確認する必要があります。
1頭のハムスターが一日に飲む水の量は、水分の多い野菜などのエサの与え方によってもかわってくるものですが、ドワーフタイプでは5cc程度、ゴールデンでは10cc程度となります。
配合ペレットを主体としたエサでは、必ず水の補給を必要とします。
その他注意すること
最近の知見では、ハムスターにトマト、レタス、キュウリなどを与えすぎると水分過多のために下痢をおこしやすいと言われます。
このような問題を回避するためにも栄養バランスと水分調整のしやすい乾燥ペレットは使いやすいものです。
そして、ペレットには必ず飲み水もいっしょに与えることに留意しておきましょう。