フェレットの暑さ対策と水
チンチラは、モルモットと同じような草食動物ですが、故郷が寒冷地方の高原のため、寒さには強く、暑さは苦手です。
とても穏やかな性格で、人にもよくなつくのでファンも多いのですが、日本の高温多湿の環境では、飼育が少し難しいことも否めません。
チンチラの生活適温は17~25度前後といわれ、これよりも低すぎたりすると特にベビーや高齢個体は下痢などの病気になりやすいといわれます。
また、高温多湿になりますと熱中症になりやすいともいわれます。
昨今の日本の住宅環境は気温の変化も大きく、過度な気温の差もチンチラにストレスを与える原因となります。
過湿条件下ではチンチラの皮膚病や感染症なども多くなります。
このようなチンチラの飼育を考える場合、ただでさえ気候の合わない日本ではストレスが多いので暮らしにくいのです。
そこでチンチラを飼育する場合には、少しでも環境のストレスを軽減するよう細心の注意を心がけて行います。
特にチンチラの温度、湿度環境を整える他にも、毎日与える飲み水の管理は重要です。
チンチラの場合、先祖の生まれ故郷は高原地帯で涼しく乾燥した環境のため、普段の水分補給は新鮮な食物から摂取するだけで、草の葉上についた水滴をなめる程度です。
飲み水もそれほど多くは飲まなくても十分なのです。
飼育環境ではチンチラ用の配合飼料(チンチラフード、ペレット)は乾燥飼料となりますので、十分な飲み水が必要です。
生野菜や果実を与えるとミネラルやビタミン類は豊富に摂取できますが、水分過多になる場合もあり、下痢をおこす場合があります。
チンチラは自分の尿など、排泄物をなめるといった特異な行動をみせる場合があります。
理由はよくわかっていないのですが、尿の臭いや味で自分の健康を調べているという説や、ミネラルの再利用という説、糖尿病のために甘い味を好んでなめている場合もあるといわれます。
糖尿病の場合には、飲水量が急に増えてくるといった兆候があるようです。
チンチラは消化関連のトラブルが多い動物です。
これは与える餌の水分量と飲水のバランスが乱れた時によくおこりますが、餌の質が急に変わった場合やストレスなども関係しています。
チンチラの消化器は肉食動物にくらべ複雑な構造をしているため、消化にかかるプロセスも複雑でデリケートです。
その結果チンチラの体調の変化は便秘や軟便、下痢といった症状としてあらわれやすく、下痢などが2~3日続くと脱水症状でショック死する場合もあります。
特にベビーの下痢は危険信号と考えて迅速な対応が必要です。
チンチラに与える水は水道水で十分です。
人間用の飲み物にはチンチラに不必要な成分や危険な成分が含まれていますので、喜んで飲む場合でも与えてはいけません。
また、暑い時には飲水も温度が高くなり、チンチラにはストレスを与えますので、少し冷たい水を与えるようにしたいものです。
あらかじめ冷蔵庫で冷やした水を与えるだけで、十分に飲むようになるでしょう。
しかし熱中症や脱水症状の場合には速やかに水分を補給する必要性もありますので、スポーツドリンクなどをスポイトで与える場合もあります。
熱中症の場合にはまず体を冷やすことが先決です。
冷蔵庫に入れると良いともいわれます。
その後体調が落ち着いてから水分を与えるようにします。