モモンガの水と健康
モモンガの健康ということをまず第一に考えるのは、飼い主の責任でもありますし、モモンガといっしょにできるだけ長く暮らしたいと願うのであれば、モモンガの健康を抜きにしては語れませんね。
そのためには、モモンガの性質や特徴を理解して飼っているモモンガにストレスの少ない生活を考えてあげなければならないでしょう。
ストレスと健康
モモンガに多い病気として、下痢があげられます。
下痢の原因はいろいろありますが、様々なストレスが下痢という症状として現れると考えた方が良いでしょう。
ストレスとは、精神的なものばかりでなく、他の病気による体調不良も原因となります。
しかしこのストレスの原因を突き詰めていくと、どうしても「水の問題」を避けては通れないことに気づくはずです。
モモンガのような小動物では、自然界で捕食される立場の動物です。
そのため体の調子がわるくても、なかなか表面には出ません。
弱ったと見られるだけで、捕食者のターゲットになります。
そのため、飼育しているモモンガも飼い主がどうも調子がわるそうだと気がつく頃には、かなり重症である場合が多いといえます。
例えばぐったりしてエサも水も飲まないし、苦しそうだと飼い主が気づく時には手遅れである場合が多いのです。
同様にベビーは大人のモモンガよりも抵抗力が弱いため、下痢などが見られたら、緊急事態です。
危ないことがほとんどです。
感染症の下痢
モモンガはコクシジウム原虫症や、ジアルジア症など、健康に見えてももともと感染している場合があります。
このような病気の感染経路は経口感染です。
経口感染の場合には、病原に汚染された水などから感染する場合もありますので注意してください。
原虫症は生まれた時から感染している場合もあり、ペットショップでは駆虫して販売している場合もあります。
しかし飼育環境が一匹であれば、仲間から感染することは考えなくてもよいですが、仮に飼い主が世話をすることにより病原体を媒介する可能性もあります。
他人のペットなどを触った手でモモンガの水換えをおこなったり、部屋に他のペットが出入りするような飼育環境では、こういった感染症がおこりやすくなります。
コクシジウムやジアルジアも初期は下痢症状が見られます。
この便を介して、周囲を汚染します。
健康なモモンガは感染しても症状が出ませんが、ストレスがあり、抵抗力が弱まると発症して激しい症状が現れます。
弱いモモンガは命にかかわる場合もあります。
その他の下痢
モモンガが下痢の症状をあらわす場合、消化器系の不調も考えられます。
感染症が引き金となる下痢とは異なり、エサが変わったりして消化不良になったりエサの水分量の調節がうまくできず、未消化となる場合です。
人間で言えば食べすぎですね。
寒かったり、生活のリズムが乱れても下痢することもあります。
飼い主さんがストレスの原因を取り除き、正しく衛生的な環境を維持に努めれば、回復することもあります。
ところがもし、下痢が続くようであれば、脱水症状になり、体の代謝がうまく行われず免疫機能も低下しますので、衰弱して他の感染症で死亡することもあります。
モモンガに与える水の管理とは、「衛生的な水を、いつでも必要なだけ飲めるのが基本」といわれるのは、実は水だけではなく、「水」の部分をエサなど他の要素と置き換えることもできそうです。
モモンガのストレス防止の基本姿勢といっても良いかもしれません。